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【雑談】Part5 (最終話)

[Part4] http://dvdm.blog134.fc2.com/blog-entry-70.html

最終話です。
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赤耶「お前もゲームの参加者だったと言う訳か…」

モニター越しに見ても解るテンションだだ下がりのX。
それを赤耶は冷たい目で眺めていた。
なぜテンションが下がっているのか。


単純に考えればゲームをクリアされた。
だからクリアされたくなかった。
アイツは RPG に例えればラスボス、魔王だ。

魔王を倒せば世界に平和が訪れる。
ありがちな設定だ。
だからその諸悪の根源たる魔王を倒した。

主人公側のハッピーエンド。
魔王側のバッドエンド。
素直に考えればそうなのだ。


しかし赤耶は聞き逃さなかった。
うっかりなのかぽろっと零した X の言葉。


「もう少し向こうの事を見習ってほしいもんだよ…」


向こうとはなにを指しているのか。
それを考えると赤耶の仮説を元にある一つの物語が生まれた。
このゲームに参加しているのは俺たちだけじゃない。
そんな物語が……。


赤耶はあの時、あの長い沈黙の中で考え一つの仮説を立てた。
皆を不安にさせまいと一人胸の奥で考えた仮説。
ゲームそのものを履き違えているのではないか?
そもそも、何に対してのゲームなのか。

勿論赤耶の妄想が入っているため全くもって違うと言う事もある。
しかし、赤耶は聞いておきたかった。

[ お前もゲームの参加者だったのか ] ……と。


赤耶「俺たちは質問を五回使いきった。
だからお前が答えてくれるとは思わない。
だからただの独り言を言って帰ろうと思う。」

そう言って赤耶は続けた。

赤耶「俺たちが巻き込まれたこのゲーム。
暗証番号を入力させて脱出させようと言うルールのゲームだ。
俺たちを殺したくてこんな事をやっているのかと最初は思った。

殺したいならわざわざゲームを成立させる必要はない。
だから俺は思った。
この暗証番号は質問次第で必ず答えを導き出せるのだと。
そうでないとゲームが成立しないんだろ?」


X「…………お前……。 何が言いたい。」


赤耶「俺たちは目の前の現実がゲームだと思っていた。
しかしそれは仮の姿、言うなれば目くらましだ。
お前が参加しているゲームを隠すためのな。

実際はもう一つのゲームが存在していた。
そう、お前は俺たちの生死がどうなるか
そういう賭けか何かをするゲームに参加していたんじゃないのか?」


芹火「え、ちょっとどういう事よ。 生死を賭けたゲーム?
それこそなんでそんな事をするのよ。
突拍子もない、馬鹿げた妄想だと思うけど?」

赤耶「焔乃さん。 これは俺の独り言だからいいんだ。
馬鹿げた妄想なのは重々承知だ。
だから独り言でいいんだ。」

芹火「わ、私は驚くわよ!
人の命がどうなるかを賭けて遊んでたってことでしょ!?」

赤耶「こいつは確かに言ったんだ。 "僕の負け" だと。
君たちの勝ちという表現をしてもいいのに、自分が負けたと言った。
そして、"もう少し向こうの事を見習ってほしいもんだ" とも言った。」

満「え、いつ言ってましたっけ;」

赤耶「俺たちが各桁の差を質問をした時だ。」

芹火「そう言えば言ってたような気がするけど…。
でも向こう? 向こうってどういう意味かしら。」

赤耶「恐らく、このゲームを管理しているもっと大きな組織なんじゃないかな。
こればっかりは想像の域だったしよく解らなかった。
でも向こうと言う事はここ以外のどこかである事は間違いないと思う。
このゲームと、もう一つのゲームを管理している組織があると俺は考えている。」

満「ここに閉じ込められた時点で既に意味は解りませんが、
僕は何か裏で動いているのではないかと言う件に関しては納得できます。
こんな大掛かりで、同じゲームを複数でやっていた。
その賭けごとをこの X がやっていたとしても僕はあまり驚きません。」

X「………………。 全く……。 なんなんだいお前は。
どうしてあんな情報でそんな訳の解らない妄想が出来るんだい?」


赤耶「さぁな。 俺の独り言はここまでだ。
事の真偽を確かめたかったが、お前の言うルール内では既に成立しないからな。」


X「ここは頭のいいグループだったって事か。
ここまで気付いた奴はお前だけだよ、仙堂赤耶。
まぁいいだろう。 せっかくだから教えてやるよ。
情報を漏らした所で別に何もないし…」


X はこう答えた。
赤耶たち以外にも別の場所、同じルールで参加させられ
そのグループが部屋から出られるかどうかを賭けると言う非常にシンプルなものだ。

どうやったかは解らないが各個人のデータを予め収集していたそうだ。
その人物がどのような性格か、どういう言動を取りそうか。
そういったものがオッズ、要するに賭けの倍率、配当に反映される。
グループで協力して出られなさそうなところ程オッズは高くなっていたそうだ。

グループの数は全部で24。
その中で1グループにのみ賞金を BET する。
上手く的中すればそのオッズに応じた配当金が手に入るゲーム。
確率は1/24だが、賭けられている金額が数百万、数千万
大きいもので億単位の金も動いているそうだ。

赤耶たちのように脱出を試みるゲームの一方で、
人の心理状況を読みそれを的中させるという二つのゲームが存在している。
赤耶の言う通り、X もまたゲームの参加者であった。


赤耶「その様子だとお前は俺たちのグループに賭けて失敗したって感じだな。
残念だったな。 そう上手くはいかんさ。」

芹火「本当に……本当にそんなゲームが現実に行われていたと言うの?
じゃ、じゃあ。 もし失敗してここから出られなくなってたら……」

X「最初に言っただろ? 死んでたよ、君達。
どんな殺し方かはその時によって違うんだけどね。
僕は大金を得てそれも楽しみにしてたんだ。
全然面白くないよ。」

満「その時によって違う? ま、まさか…これが最初ではないのですか!?」

X「そうだよ。 一年に一度行っているんだよ。
もう僕たち裏の世界では恒例行事になっているくらいだからね。」

芹火「なんてことなの…狂ってるとしか思えないわ。
警察に言ってこんな組織潰さないと…。」

X「無駄だよ。 警察のお偉いさん方もこのゲームに参加しているんだ。
何をしても全て揉み消してくれるよ。」

芹火「…………………。」

赤耶「俺たちをここに連れて来た目的はこんなしょうもないゲームをさせるためか。
全くもってくだらん話だ。 だが俺たちは何はともあれ勝った。
さて、皆。 そろそろ行かないか?」

芹火「そ、そうね。 全然腑に落ちないけど…
今は死を免れた事に感謝しておきましょうか。」

満「えぇ。 それでは帰りましょうか…。 僕たちのいた場所へ。」


そして三人は一斉に歩きだし、重たい金属の扉の前に立っている。
満は扉の取っ手を握りしめる。
生きて帰られる……もう終ったんだ。

赤耶はモニターを一瞥する。
その向こうには屍と化した X が映し出されている。
その姿に赤耶自身もこれで終わったと感じたようだ。

こんな訳の解らないゲームに参加させる為だけに俺たちを集め
失敗したら殺されていた。
少ない質問でここから出れたら大金が得られただろう。

しかし、赤耶たちの質問はぴったり五回。
大金はなくなったが今は無事に帰れる事を喜ぼうじゃないか。
そうだ……もう終ったんだ。


赤耶「俺たちだけではなく、他のグループも参加していたなんてな。」


そんな言葉を呟いた。


満「おや? どうかしましたか仙堂君?」

芹火「早くドアを開けてって事じゃないの?(笑)」

満「あ~すいません; 出れるんだと思ったらつい手が動かなくてね!
では、気を取り直して開けますよ!」


ギギ……ギィィィ……………


ただひたすら沈黙していた重たい金属の扉は不気味な音を立てて開きだした。
徐々に外の光が射しこんでくる。

金属の部屋からは想像できない景色だった。
周りは木々に囲まれ、辺りを見回しても人の気配すらなさそうだ。
扉の前の道は舗装されたような後が残っている。
ここを通って帰ればいいのだろうか。

何処に繋がっているのか全然解らない。
とりあえず道なりに三人は歩きだした。


満「いや~それにしてもまさか本当に出られるなんて!
改めてお礼を言います!
ありがとうございます!」

赤耶「欲を言えば俺は賞金を持って帰りたかったけどな~」

芹火「まぁまぁ…最初に言ったじゃない?
お金はいらないから生きて帰ろうって。」

赤耶「それもそうだな……」

芹火「それにしても仙堂君の閃きがなかったら私たちきっと出られなかったと思う。」

赤耶「いやいや、最初に焔乃さんの各桁の和があったからよかったんじゃないか?」

満「確かにアレは凄かったですね!」

芹火「でも結局、私はそこまでしか考えなかった訳だし。
やっぱり、仙堂君のおかげだわ。」

赤耶「そんなことないだろ~?
各桁の積を提案した時、焔乃さんが五つの数字が解るって言ったからだ。
俺はそこまで考えてなかったからな。」

芹火「あ~あれね。 あの案に賛成したのは大きな理由があるの。
ある条件の時、各桁の積は意味をなさない質問になるの。
どういう条件か解る?」

赤耶「え? 意味がなかったケースがあるのか?
じゃ、じゃあ100%に近いって言ってたのは嘘だったのか!?」

満「うわ~; 質問して意味ない答えが返ってきたらアウトだったと言う事ですね;
そんな博打で100%に近いって、焔乃さんギャンブラーでは?(笑)」

芹火「ち、違うわよ!
あのパネルを見て何か気付かなかった?」

赤耶「特に何も思わなかったけど…」

満「なるほど…あのパネルを見てですか。
確かに、おかしいなと思ったんですよ。」

赤耶「お、おい…大野木さん! おかしいと思ったら最初に言えよ!!」

満「いやだって、Enter はあるのに、Clear はなかったんですよ?
押し間違えたらどうするんだろうなって…」

芹火「た、確かに Clear はなかったけどそこじゃないわ。
あの数字の中に [ 0 ] はなかったでしょ?」

赤耶「そうか! 0には何を掛けても0だから各桁の積を求めても0の可能性があったのか…」

芹火「でも0はなかった。 これなら大丈夫だと思ったからほぼ100%なの。
穴があると言ったけど本当にあったのかどうかは解らないけどね。」

満「やっぱり焔乃さんは頭の回転がはやいです;
それに比べて僕なんか皆さんの足しか引っ張ってないですし…」

赤耶「ま、今はそんな事を言ってもしょうがないだろ?
こうやって無事に出られたんだし…もういいってことさ。」

芹火「そういう事♪
ん? あ………。 あれって駅じゃない?」


暫く歩いたその先はご丁寧に駅へ続いていた。
見たこともない駅名。
改札もなくその駅には一両の車両が佇んでいた。
この施設に対しての交通手段だったりするのだろうか。

三人はこの電車に乗り、空いている座席に座る。
空いてると言っても誰も座ってはいないのだが…。

座ってから暫くすると電車は動きだした。
何処に続いているか、向かっているかは解らない。

ガタン…ゴトン。
一定のリズムを刻みながら車両は揺れる。

なんだか眠たくなってきた。
精神的にも、肉体的にも疲れたんだろう。
徐々に瞼が閉じていく。
こうして三人は深い眠りに就いた。


?「全く…勝負に負けた上に送迎もさせられるとはね。
もうお前たちとは逢いたくないよ…。」



あれからどれくらい眠っていたのだろうか。
あの時誰かに話しかけられたような気もするが解らない。
電車に乗ってからは数分の出来事しか思い出せないからだ。
疲れ果てて眠ったのか…。


目が覚めた時にはもう電車の中ではなかった。
周りを見渡す。

赤耶「あぁ…。 なんて平和な光景なんだ。」


見覚えのある風景がそこには広がっている。
懐かしい街並み。
懐かしい匂い。
帰ってこれたんだ。
ここにいると夢を見ていたように思える。

しかしあの体験は鮮明に覚えているのだ。
大野木満さん。
焔乃芹火さん。
そして俺。

二人は無事に帰れたのだろうか?
そう願わざるを得ない。


赤耶「さて……これからどうしようか。」


もうあの時のような非日常は訪れないだろう。
俺は今ある生を存分に楽しみたいと思う。
またあの二人に逢える日が来たらその時は飯でも誘ってみよう。
断られるかもしれないけど…

あの金属の部屋の中で俺たちは確かに命のやりとりをしていた。
またどこかで逢えるだろうか?
いや、きっと逢えるはずだ。
俺たちが出逢ったのはきっと偶然じゃなかったのだろうから。

This story has ended.
Thank you for reading so far!!

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これにて短編作は終了です。
本来であれば説明しなければいけないキャラの設定を完全に省きました。
最初から省く予定でしたけど。
物語の大筋が楽しんでもらえたらいいかな~


自作ゲーム用のシナリオ練習と言う事で始めましたが
STG のシナリオはどうしようかなと考えてます。
ある程度の案はあるのですが…ん~。
もっと推敲する必要があるようです。

今やってるゲームをクリアしたら作業再開始めようと思ってたんですが
まだ終われそうな気配がないのでやりながら作業再開したいなと思います。

読んで頂けた方はありがとうございました。
お疲れ様でした~。

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