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【雑談】Part4

[Part3] http://dvdm.blog134.fc2.com/blog-entry-69.html

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二つの質問から五つの数字を得た三人。
その数字は 97551 だ。
並び順が解らないためこのままでは暗証番号は解らない。

三人は悩んでいた。
どのような質問をすれば更に条件が絞れるのか…

残りの質問は三回。
その内二つの質問は各桁を知るために残してある。
実質後一回の質問で答えを導かなければいけないと言う事でもある。
今のタイミングで二桁を聞くと五つの数字の並びで二つが解る訳なので
3 × 2 × 1 = 6通りになる。

6通りに絞った後、残り一回の質問で正解が得られるのか?
あるいは先に一回の質問をして、出た答えに対して二桁を聞く方が有効なのか?
そこが三人には解らない。

先に聞くか、後で聞くか。
二択ではあるが生死が掛かっているこの状況で安易な判断は出来ない。
間違いなく暗証番号が解る聞き方…それを探さなければ…。



芹火「さっきからみんな喋ってないけど…どう?」

満「今の所良さそうな案がありません。
そもそも五回の質問では五桁の暗証番号は解らないのではないでしょうか。」

赤耶「……というと?」

満「まるまる答えを聞けないから回りくどい質問をしなければいけない。
それに二桁までは教えてくれると言ってます。
ですが、その質問の中で聞かなければいけないという所がミソなのではないかと思うのです。」

芹火「つまり、まるまる五回の質問をした後で二桁を聞くなら大丈夫だと言いたいの?」

満「今二つの質問で五つの桁が解りました。
もし、残り三回質問が出来たなら並び順まで把握出来ると思うんです。

僕が言いたいのは、この二桁を知るためには二回質問しなければいけない。
そこに僕たちの思考を留めておくための罠があるんだと思いました。

二桁聞く事を強要されている訳ではないのでしないという選択も勿論ありだと思います。
しかし、二桁は教えられると言う事を出だしに言っておけばそれは必ず頭の中に残る。
制限を掛け、本来なら可能であるはずのものを不可能にした…と言う事でしょうか。」


確かにそうかもしれない。
そもそもなぜ二桁は聞けるようなルールになっているのか?
そこが満には解らなかった。

二桁を教える事が出来ないルールにしておけば
五回の質問で答えを導き出すのは難しいものになったかもしれない。

もともと五回の質問では答えを導き出せない前提だったとしよう。
そうなればどの様に質問を投げかけても結局答えは解らない。
しかし、解るかもしれないという公平感を与えるためのルールだったら?
二桁教えた所で結局は答えが解らないのではないだろうか。

満はそういう事を言っていた。
確かに今このタイミングで五つの数字が導き出された。
しかし、結局はそこ止まりと言う事になるのではないか?


満「一応計算しておきましょう。
6通りで、三回の入力までは許容範囲と言う事は

一回目の確率は 1/6 なので16.666...%、
二回目の確率は 1/5 なので20%、
三回目の確率は 1/4 なので25%になります

6通りまで絞れて最終的には25%でしか正解出来ないと言う事でもあります。
この状況で 1/4 に身を委ねられるでしょうか?」


赤耶「…………。」
芹火「そ、そうね…」

もう誰も笑っていない。
先程までは希望に満ちあふれていた満自身でさえも。
皆の思考が死ぬかもしれないという恐怖で徐々に蝕まれていく。


芹火「わ、私は……こんな所で死のうとは思っていないわ。
1/4 と聞くとギャンブラーにとってはいい数字かもしれない。
でも私はギャンブラーじゃないから上げれる勝率はとことん上げたいわ。
でも……」

そこで芹火は言葉を切る。
しかし何が言いたいのかは二人とも理解出来ていた。

[ 上げれる勝率はとことん上げたい ]

今の思考ではとことんどころか、全くもって上げられないのだ。
答えに辿り着きたいと頭では理解できても一度不安がよぎればそちらを意識せざるを得ない。
そうなると後はずるずると芋づる式に正常な思考は失われていく。


しかし、そんな時だからこそ正常な思考が求められるのも事実。
ごく普通、当たり前、一般的な、そんなありふれた普通の思考でいいのだ。
それを仙堂赤耶という男は痛いほど知っていた。

彼は深い沈黙をただただ不安のまま過ごしている訳ではない。
正常な思考を取り戻すための時間に費やしているのだ。
赤耶は考えていた。

答えは見つからないのか?
果たして本当にそうなのか?
公平感を与えるため?
なぜ公平感を与える必要があるんだ?

アイツは確かに言ったのだ。


「ゲームが成立しない」と。


アイツがゲーム感覚で参加してよ!と言っていたこともあり、
ゲームとは俺たち三人に暗証番号を当てて貰うためのものだと思っていた。
それだけのためにここまでの事をするだろうか?

もしかしたら俺は…… "ゲームそのもの" を履き違えていたのではないか?
あの X が言うゲームとやらがこの暗証番号の事だけではなかったら?

そうであれば答えが解るように出来ているはず…
そうでなければゲームが成立しないはずだ。
って事は……。



不安の中考えを止めていた芹火はちらっと横目で満を見た。
その顔つきで言葉を交わさなくても解ってしまう。
どうも自分と同じような考えを持っているようだ。

そして反対側に座っていた赤耶を見る。
しかしその顔はまだ諦めてないという顔つきだった。


芹火「ちょっと仙堂君?」


長い沈黙で不安だった芹火は仙堂に話しかけた。


赤耶「焔乃さん…何か解ったのか?」

芹火「いや…特に用事はないんだけど……その…。
私と大野木さんの表情とは違うから…つい…。」


赤耶「あ~そう言う事か…」


そこで一度深呼吸をする。
ここの言葉は慎重に、しかも皆を勇気づける必要がある。
現状を打破するには……進展させるには希望を見せるしかないだろう。
赤耶は迷わなかった。


赤耶「俺の行きすぎた妄想も入ってるし、変な事を言うとまた不安になると思う。
だから希望のある言葉だけを言っておくぜ。
みんな良く聞いてくれ。
で、何も聞かないで欲しい。」

二人は何が言いたいのか全く理解できなかった。


赤耶「答えが解らないようには出来ていない。
この五つの数字の並び順は必ず解る…後三回で、必ずな。」


一瞬で顔つきが変わる。
どういう事ですか!? 何? どういう事?
そんな質問をされているが赤耶は答えない。
しかし赤耶は必ず解るという事をアピールした。

赤耶「必ず解るんだ…必ず。
だから諦めちゃいけない。」

そんな力強い言葉に気圧されたのか二人は静まり、
同時に不安な顔は消えていた。
なぜそんな事を言ったのか二人は解らないでいる。
しかし、その雰囲気や言動から嘘を言っているようには思えなかった。


芹火「あ、あのさ…仙堂君。その…本当……なの?」

赤耶「少なくとも俺は答えを知る方法があると思ってる。
それについて一つ案を思いついている。」

満「え?」

芹火「ちょ、ちょっと! 案って…
答えを知る方法があったからあんな事を言ったんじゃないの!?」

赤耶「俺は計算があまり得意な方じゃないんだ…。
間違っている可能性もあるから二人の意見も聞いておきたいんだ。」

満「まぁまぁ焔乃さん。 とりあえず聞きましょう。 で…どんな案ですか?」

赤耶「今こうやって五つの数字が解ったのは和、そして積を求めたからだ。
じゃあ今度は [ 差 ] を求めてみたらどうだ?」

満「差…つまり引き算の答えですね。
ま、まぁこの流れで差を求めようって言うのは別に悪い発想ではないと思います。
しかし……差を求めてどうするつもりですか?
次は商でも求めますか?」

赤耶「俺が考えている通りだとすると、五桁目の番号が解るはずなんだ。」

芹火「五桁目の番号が解る? どうして差を求めると五桁目が…
あ! そ、そうね! 五桁目に限って言えば確かに解るわ!」

赤耶「焔乃さんがそう言ってくれるんなら大丈夫そうだ。
なら、さっさと五桁の暗証番号を入力してもうここから出ようぜ?」

芹火「え、ちょっと待って…五桁目の番号は解るけど五桁全部は解らないでしょう?」

赤耶「五桁目の暗証番号が解るんならもう答え出てるじゃん。」

満「待った待った! 待って下さい! 僕だけ置いてけぼりですか?
なんで五桁目が解るのか…って、えええ!?
仙堂君、答えが解るってどういう事ですか!!」

芹火「そ、そうよ。差を求めて五桁目が解るまではいいけど
それだけで答えが解るの?」

赤耶「いやいや、考えてみればすぐだぜ?
五桁目が解れば残りの質問で二桁を聞けるだろ?
って事は五桁目以外の番号を聞けば三桁解る事になるじゃん。」

満「あああああ!? そ、そうか!!
五つの数字で三つの使い道が解ったって事は、
残りの数字が二つしか残らないから二通りの答えしかない!!

入力が三回までだからこれで大丈夫なんですね!
しかし……どうして五桁目の暗証番号が解るんですか?」

赤耶「97551と言う数字だが、どの様な並び順になっているかは解らない。
だから五桁目の数字を固定させてみるんだ。
要するに

9 - A - B - C - D = ??
7 - A - B - C - D = ??
5 - A - B - C - D = ??
1 - A - B - C - D = ??

使われている数字は 9, 7, 5, 1 になるからこの4パターンしかない。
それぞれ計算してみよう。」

そう言って赤耶は説明を続けていく。

[ 頭が9の場合 ] 9 - 5 - 5 - 7 - 1 = -9

[ 頭が7の場合 ] 7 - 5 - 5 - 9 - 1 = -13

[ 頭が5の場合 ] 5 - 5 - 9 - 7 - 1 = -17

[ 頭が1の場合 ] 1 - 5 - 5 - 7 - 9 = -25


赤耶「一桁目 ~ 四桁目の並びはどうなっているか解らない。
だからただの例だが、五桁目を固定して考えてしまえば各桁の差は全部違うんだ。
ここで出てきた答えで五桁目が解るって言う訳だ。」

満「な、なるほど…た、確かにそうですね…。」

赤耶「どうだ? もう答えは解ったも同然だろ?」

芹火「み、見事だわ…五桁目を固定するから残る質問と合わせて三桁を知る事が出来る。
これで…これで解るわね!」

満「本当に二人とも凄いですね;
僕なんかここに居て役に立ってませんし;
でも…これで出れるんですね?」

赤耶「間違いない。 これで出れるぞ、俺たち!
じゃあ、問題はないな?」


今までの不安とは裏腹に皆希望に満ちあふれた顔をしていた。
焦っても思考が滅茶苦茶にしかならないのだ。
だからごく普通、当たり前、一般的な、そんなありふれた普通の思考が必要だ。
どんな時も、いかなる状況でも焦ってはいけないのだ。

そして赤耶は再びモニターに向かって喧嘩腰で質問した。
しかしその顔は自信と希望に満ち溢れていた。
もう大丈夫。

答えは -9, -13, -17, -25 の四通り。
どれが来ても問題はない。


X「各桁の差…か。 本当に同じような質問をするんだね君達。
もう少し向こうの事を見習ってほしいもんだよ…
各桁の差は [ -17 ] だよ……はぁ。」


モニター越しのアイツは既に興味なしと言わんばかりの雰囲気で答える。
しかし赤耶たちにはどうでもよかった。

芹火「-17 ってことは!」

-17 と言う事は、

[ 頭が5の場合 ] 5 - 5 - 9 - 7 - 1 = -17

この条件に当てはまる。
これで、五桁目が「5」と言う事が解った。

残りの質問は二つだがもう何を聞くかは決まっていた。
一桁目~四桁目ならどこを聞いても同じだからだ。
赤耶たちは矢継ぎ早に質問をした。

三桁目、四桁目の番号を教えて貰う。

X「三桁目が5、四桁目が9だよ…」


これで三桁目~五桁目が解った。
三桁目が5、四桁目が9で、五桁目はさっきの差から5である事が解っている。
考えれるパターンは[ 59571 ] か、[ 59517 ] の二通りしかない。
もう答えは出たも同然だ。
芹火と満の二人は喜びを隠せず満面の笑みを浮かべ喜びを分かち合っている。

赤耶「さぁ! 入力しようぜ!」

芹火「そ、そうね!」

満「えぇ! 仙堂君、焔乃さん、ありがとうございます!」

赤耶「お礼は…」

ピッピッピッ…

赤耶「これを開いてからに…」

ピッピッ…

赤耶「しようぜ!!」

ピーーーーーーーーーーーーーーッ

甲高い電子音が辺りに鳴り響く。
それと同時に重たい金属の錠が解錠される。
入力した番号は[ 59571 ]。
二択を一発で当てたようだ。

一時はどうなるかと思ったが何はともあれ開いたのだ。
芹火と満は再び喜びを噛みしめ合う。

芹火「仙堂君! 開いたわよ! 扉! 早く出ましょ?」

満「夢みたいです…本当に五回の質問ぴったりで番号が解ったなんて!
ありがとうございます! 仙堂君! 焔乃さん!」

赤耶「あぁ…そうだな。」

芹火「あんまり嬉しそうじゃないわね? 出れるのよ?」

赤耶「あぁ。 確かに出れる。
だが…俺はこのふざけた野郎に聞いておきたい事がある。」

満「え? 扉は開いたのに他に何を聞くと言うのですか?
もういいじゃないですか…
扉がまた閉まって出れなくなったとか嫌ですよ?」

赤耶「…………」

X「そんなことしないよ…。 このゲームは僕の負けさ…。
時間が経っても施錠はされないよ。
好きな時にその扉の外に出ればいい。」


赤耶「僕の負け…か。"君たちの勝ち" という表現はしないんだな。」

その表現に X は肩をピクっと震わせた。

赤耶「お前もゲームの参加者だったと言う訳か…」

芹火「え? ど、どういう事なの!? ゲームの参加者?」


X はゲームの参加者であると赤耶は言っている。
果たして X とは何者なのか・・・


Part4 End

[Part5 (最終話)] http://dvdm.blog134.fc2.com/blog-entry-72.html
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